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第1433号 皇居の草を郷土の土産に
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第1433号 皇居の草を郷土の土産に

******様
お元気でご活躍のことと思います。

≪母校近況≫

=保護者会主催、夜空を彩る花火大会=
 12月6日(金)に、保護者会主催の「麗澤瑞浪の夜空を彩る
花火大会2024」が開催されました。この企画は、保護者の方々が中心となって立案から資金集め、当日の準備までを行ってくださいました。また、保護者の思いに応える形で、みずこう麗澤会や教育後援会の方々をはじめ、多くの支援をいただきました。
 生徒たちは、夜空に広がる大輪の花火を見て、「こんな近くで花火を見るのは初めてで感動した」「家に帰ったら親に感謝の気持ちを伝えたい」と話すなど、今回の花火大会に込められた保護者の想いに心を寄せるとともに、学校の敷地内で行われたこの特別な体験を心に刻んでいました。
 これからも、生徒たちの成長を支えるために、保護者の皆様と手を携えながら、教育活動に取り組んでまいります。
⇒https://www.mz.reitaku.jp/reitaku-info/reitaku-info_2024/
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『日本講演新聞』2024年9月23日3041号で、戦後ジャーナリストの佐波優子さんが皇居奉仕がどのように始まったかについて述べていました。前回の続きです。

 みくに奉仕団の青年たちは、皇居の草を一把ずつ手にして、「これを郷里への土産にしたい」と侍従次長に頼んだそうです。「何のためか」と聞いたら、彼らはこう言いました。
「私たちは農民です。草を刈って肥料のために堆肥を作ります。この一把の草を堆肥の素とし、私たちの畑を皇居と直結したいのです」

 その後、青年たちは皇居の草を手に手に携えて東京駅から宮城の郷里に持って帰り、それを堆肥にしたのです。確かに草というのは刈ってしまえばあとは枯れるだけです。しかし、堆肥にすればその草が養分となって肥えた田畑の土となります。

 まさに「皇居とつながった自分たちの田畑の土が農作物を育てるんだ」と、青年たちは、そういう思いで農業に励みました。その後、この「みくに奉仕団」に対して陛下はこんな和歌を詠まれました。

 戦に やぶれしあとの いまもなほ 
    民のよりきて ここに草とる
 民が来て、草を取って瓦礫を片付けていった、そうしたことを天皇陛下が和歌に詠まれたわけです。

 その後、今の上皇陛下もこんな和歌を詠まれています。

 豊なる 実りなりしと いう人の 
     多き今年の 秋を喜ぶ
 これは勤労奉仕の人たちより「今年は豊作になりました」ということを聞いて、「ああ、良かった。秋の取入れをとても楽しみにしている」ということを読まれた和歌です。

 こうした上皇陛下が読まれた和歌も、みくに奉仕団に「農作の様子はどうか」「地下足袋は足りているか」などをお尋ねになった昭和天皇の御心境と非常につながっているなと私は思いました。天皇陛下が国民を思う心はまさに大御心ですね。

 そして、みくに奉仕団として陛下に尽くした若者たちの思いを、私は日本人の先人の心として、後世に伝えていきたいと思っています。

以上、引用でした。

 こういった経緯があって、皇居奉仕が始まったわけですが、60年ほど前、私の父が皇居奉仕に参加し、天皇陛下のご会釈を賜った時のことを非常に喜んでいたことを思い出します。その話を聞いて私もいずれ参加したいと思っていました。
 平成18年に、麗澤瑞浪高校でも安永先生はじめ社会科の先生のご尽力で、生徒と職員での皇居奉仕が実現し、平成20年に私も参加させていただきました。途中、コロナ禍で中断したものの、毎年行われています。
 生徒も職員も事前勉強して出かけますが、ご会釈で両陛下のお言葉をお聞きすると、両陛下は、私たち国民の生活についてこんなに気に掛けてくださっているのだと実感します。何より生徒たちにとって、こういった経験の出来るということが、幸せなことだなと思います。


(文責 谷渕篤孝)
2024年12月20日(金) No.1391

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